私にもし、過ぎた夢を見ることが許されるなら、コバルト文庫はまさに、夢に見た夢でした。
初めて手に取ったコバルト文庫は、忘れることも出来ません。
少女漫画のように可愛い表紙なのに文字がいっぱいあって、漫画より少し値段が高くて、一冊に漫画よりも沢山の時間をかけることができて、読みやすくて、楽しくて。
こんな「本」があるんだ。とびっくりしたのを、今でも覚えてます。
初めて読んだ、女の子が主人公のファンタジー小説。ライトノベルという名前も知らなかった頃、私にとって女の子が主人公の文庫サイズの本はすべてが「コバルト文庫」でした。
集英社さんから本を出していただける。
憧れの、一等眩しい星だったコバルト文庫さんから、本が出る。
一冊だけど、でも、私
「コバルト作家」なんだ。
胸が苦しいほどにいっぱいです。
お声がけくださった担当さん、このような機会をいただき、本当にありがとうございます。
緑豊かな国・シャリマで行われる、姫の誕生会と婚約発表。国民に愛される姫の催しは皆に喜ばれる――はずだった。
非道な大魔女が現れ、姫に魔法をかけなければ。騎士のルカは姫に寄り添い、魔法のせいで彼らは耐え難い日々を送ることになる。
月日は流れ、誕生会から6年後。
姫の魔法は婚約者の王子の愛によって解け、物語はハッピーエンド…かと思いきや、今度はルカが大魔女の逆鱗に触れてしまう。
大魔女の魔法にかかったルカは、彼女の懐に入るため、ある決断をする!愛がいらないと謳う大魔女の、もうひとつのハッピーエンドとは?
巻末にコミカライズ版の第1話を特別収録!
コミカライズ詳細はリマコミ+にて!
【ワン・モア・ハッピーエンド ~愛を知らない大魔女が、憎まれそして愛されるまで~】
出版社:集英社
レーベル:集英社コバルト文庫
本作は大魔女と騎士のお話となります。
もともと、作中に出てくるお姫様と王子様のお話を考えていたものだったのですが、脇役の騎士と大魔女がスコーンっと主役をかっさらっていきました。
感情豊かな破天荒な大魔女と、大魔女に振り回され続けるいつもの尽くし系男子……になる予定の騎士。大変楽しく書かせていただきました。
発売は電子のみとなりますが、皆さんに楽しんでいただけたら嬉しいです。
コミックシーモアさんで8/1日から先行配信。
他の電子書店さんでは、その後、随時発売され始めるようです。
コミカライズも同時にスタートしました!
漫画を手がけてくださったはたはた先生が、原作の魅力をさらに引き立ててくださっています。
大魔女の色気や可愛らしさ、そしてギャグとシリアスの緩急の巧さが絶妙で、何度も感情を揺さぶられました。騎士ルカも本当にかっこよく描かれていて、ページをめくるたびに心が忙しい……!
背景や衣装、動物に至るまで細部の描き込みも見事で、壮大な世界観に一気に引き込まれます。特に光と影の演出には何度も何度も息を呑みました。
全編に込められた熱量と表現力に、心からの敬意と感謝を。
皆様に是非、楽しんでいただけますように。
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