おててにちゅう

まにうけちゃだめだよ。


色んな人の声でその忠告を聞いた。あいつは誰にだってそうなんだから。

たぶんそうなんだろう。妙な匂いをからめた視線を送って来るのも、時折語尾が甘くなるのも。きっと特別な相手にだからじゃない。彼には呼吸のように自然なことなんだ。

これはただのお遊びのひとつ。子供がおもちゃを気まぐれに転がすみたいに。


膝にのせた彼が、長い前髪の隙間から私を見る。睫毛に縁どられた瞳には裏も底もみえない。なにも見抜けない私は節穴だから、聞いた言葉を繰り返すしかできない。

まにうけちゃだめだよ。

「本当にそう思うの?」

何も見えない私に、何もかも見えているような彼が薄く笑ってみせる。わざとゆっくり手をとりあげた。


「これでも?」


text … from nachi


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大好きなナチさんに文章を付けてもらいましたびゃあああ…!ありがとうございます!!!

ナチさんの恋愛小説が本当に大好きなので(いや最近知った新参者なんですけど!)自分の絵にこうして文章を付けていただけたなんて光栄の極みです…そしてやっぱり、禿萌える。

ツイッターのほうでも沢山の方に文章をつけていただいていますが、スカイプで文章をいただいたので、ここにて公開!!

ありがとうございましたあああ ( °▽°)=◯)`ν°)・;'.、